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第233回演奏会のご案内

創立60周年シリーズ第2弾
 新交響楽団は、創立以来アマチュアオーケストラとしての可能性を追求し活動をしてきました。1979~90年には山田一雄指揮によるマーラー交響曲チクルスに挑んでいます。今でこそアマチュアオーケストラがマーラー作品を演奏することは当り前になっていますが、当時としてはかなり挑戦的なことでした。その経験が現在の新響の血肉となっています。今回は1993年から共演を重ねている飯守泰次郎を指揮に迎え、第2番「復活」を演奏します。
 また、新響は創立20周年「日本の交響作品展」でサントリー音楽賞を受賞し、その後も日本人作曲家の作品に取組んできました。ベートーヴェンやモーツァルトと同じように邦人作品を取上げ、共感をもって演奏していきたいと考えています。

マーラー「復活」への想い
 交響曲第1番「巨人」は大編成ながら管弦楽のみの作品ですが、この第2番は混声合唱と2人の独唱、パイプオルガンが加わり金管が増員され、さらに感動的な作品となっています。「巨人」の主人公が死に、最後に復活を遂げるドラマで、復活があるからこそ死は生の消滅ではなく、この世の人生の労苦は十分に意味深いというマーラーの死生観が込められています。
 作曲当時マーラーはハンブルグ市立歌劇場の正指揮者でしたが、ハンブルク楽友協会の指揮をしていたハンス・フォン・ビューローに認められ後継者となりました。そのビューローの葬儀の印象がこの第2番に盛込まれています。合唱付きの終楽章がベートーヴェンの真似と受取られるのを心配していたマーラーは、葬儀で歌われたクロプシュトック(ドイツの詩人)の「復活」という賛歌に感銘を受け、この詩を使用しました。
 マーラーの交響曲の魅力は、美しく時に叙情的な旋律と、スケールが大きく複雑な構造ですが、ともすればそれが苦手とされてしまうかもしれません。しかし第2番は比較的明解で、マーラーを聴きなれない方にも楽しんでいただけると思います。

別宮貞雄「管弦楽のための二つの祈り」
 別宮貞雄(1922-2012)は東京大学理学部物理学科と文学部美学科の両方を卒業した秀才。在学中に作曲の勉強を始め毎日音楽コンクールに入賞、東大卒業後にパリ音楽院に留学、ミヨーやメシアンに師事しています。別宮賞を制定し自ら作品の評価を行うなど、長く日本の作曲界の中心的存在でした。5曲の交響曲をはじめ、調性のあるメロディックな作品を残しています。
 今回演奏する「二つの祈り」は、留学後に東京交響楽団の委嘱で作曲された修行時代の集大成的な作品です。新交響楽団第99回演奏会「青春の作曲家たち」(1983)にて、当時日本の第一線で活躍する作曲家の若き日の作品を集めて演奏をした際に、この「二つの祈り」を取上げました。
 「悲しみをもって」「雄々しく」と名付けられた2つの楽章からなる作品で、荘厳な前奏曲で始まりグレゴリア聖歌の現れるフーガが力強く演奏されます。
 今回演奏する2曲は、ともに作曲家34歳の時に書かれた作品。作曲家の瑞々しい感性をお楽しみください。(H.O.)

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