維持会ニュース団員紹介コーナー(1997.6月号)より


土田恭四郎

1.氏名、2.パート、3.生年月日、4.入団して何年?、5.出身、6.職業・普段の顔、7.使用楽器、8.好きな曲・好きな演奏家、9.印象に残る新響の演奏・演奏会、10.新響に一言、11.維持会員の皆様に一言

1. 土田恭四郎(つちだ・きょうしろう)

2. チューバ

3. 昭和33年1月26日

4. 昭和56年4月入団

5. 生まれは東京ですが、家は秋田の矢島出身で一族の墓は矢島にあります。また福島の会津にも関係しています。出身校は学習院の法学部政治学科で、高校・大学時代は部活動でオケと合唱両方やっていました。

6. ソニー株式会社知的財産開発センター知的財産企画部知財管理GPにて、主に商標・意匠に関する事務管理業務を担当していますが、業界団体の主催する委員会の委員もやったりしています。

7. チューバの譜面は現在殆ど実音で書かれていますが、移調楽器として低い方からB♭、C、Es、Fとあり、形状や大きさも様々、流行もあります。

 主に使用している楽器は下記の通りでC管とF管は個人所有、B管は新響の楽器でこの3本を曲によって使い分けています。それぞれに特色があり気に入っています。
 旧西独 ミラフォーンC管 4/4サイズ 5ロータリー 銀メッキ仕上
 旧東独 B&S シンフォニー F管 6ロータリー イエローブラス
 旧西独 Y.モンケ B♭管 5ロータリー

尚、下記の2本を所有していますが、使用していないので手放す予定です。
 ミラフォーン C管 3/4サイズ 5ロータリー
 テナーチューバ:旧西独 Y.モンケ B管 4ロータリー

マウスピースも下記の通り楽器によって使いわけています。
 F管:旧西独 B.ティルツ Prof.Daumモデル F11/2
 C管:旧西独 ミラフォーン ローズモデル ソロ C10
 B♭管:オーストリア K.ブレゼルマイヤー 3

8. 実はこの手の話になりますと、自分の世界にハマッてしまうので長くなってしまいますがどうぞご勘弁を。

「曲:作曲家」ルネッサンスから現代まで何でもござれ、ジャンルも教会音楽からPuffyまで列挙するときりがありません。先日もニューミュージックのCD全集を購入したりして楽しんでいます。学生の頃合唱をやっていたこともあり、オペラや合唱曲、歌曲の方に比重が掛かっています。またチューバという楽器の性質上、金管アンサンブルやソロの為のオリジナルの曲の中にも好きな作品は多いですね。それを列挙するときりがないので、一般的な作曲家と作品を列挙すれば下記の通り。
 J.ガブリエリ、J.ゼレンカ、B.マルチェルロ、J.S.バッハ、W.A.モーツァルト、L.V.ベートーヴェン、F.シューベルト、R.シューマン、J.ブラームス、R.ワグナー、A.ブルックナー、J.シュトラウス、J.プッチーニ、レオンカヴァルオの道化師、G.マーラー、R.シュトラウス、O.メシアン、H.トマジ、K.ペンデレッキ、信時潔の歌曲、柴田南雄の合唱曲。特に日本の歌曲は好きです。この信時潔とデュオパという人の男声合唱の為のミサ、ブルックナーのモテットやミサ曲、ベートーヴェンとバッハは墓場まで、という程です。
 あと、B.マルチェルロのソナタ、バッハの無伴奏チェロや無伴奏フルート、シューマンのアダージョとアレグロをチューバで吹くのが好きで勉強しています。
 日常良く聴いているものとして、クレンペラー指揮ベートーヴェンの荘厳ミサ、ベーム指揮フィデリオ、クーベリック指揮魔弾の射手、ドレスデン木の十字架合唱団によるブルックナーのモテット、ヨッフム指揮のブルックナーミサ曲2番とテ・デウム、クナのワーグナー物、ワルター指揮ドイツレクイエム、トスカニーニ指揮ヴェルディのレクイエム、小沢のアルペン、田中信昭指揮三善晃の女声合唱曲「三つの叙情」、ビーチボーイズ、ビートルズ、50−60年代のポップスいわゆるオールディーズ、ロックンロール、バート・バカラック、ロイドウエッバーのミュージカル、山下達郎を良く聴いています。また、ロンドンのデッカによる「神々の黄昏」のレコーディング風景記録ビデオやバイロイト音楽祭に関するビデオとかよく見ています。

「指揮者」クナッパーツブッシュ、クレンペラー、トスカニーニ。特にクナのパルシファルの一部とワルキューレ第1幕演奏会形式はビデオがありますが見てて面白いですね。

「演奏家」歌手が中心となります。いわゆるドイツ系の歌手が多く、H.ベーレンス、H.ホッター、P.ホフマン、R.コロ、F.アライザ、W.ヴィントガッセン。イタリア系としては熱い声が好きでM.D.モナコ。以前ロシアのバス歌手のE.ネステレンコ及びドイツのH.ホッターの声に各々直に接する機会があり、とにかくその豊かで深みのある響きと声の明るさに感動しました。チューバの演奏に刺激を受けています。一応チューバ吹きですからチューバ奏者としてH.フィリップス、J.フレッチャー、A.ジェイコブス、M.リンドです。

 あとフルスコアを読む(眺めるのではなく)のが好きで、音楽と離れますが戦前戦後の日本映画(溝口、小津、山中とか)、歌舞伎、美術鑑賞、古生物学、歴史、読書が好きです。先日もR.キャパの写真展に行き心を動かされました。暇さえあれば図書館とか美術館・博物館に行って遊んでいます。いいなあ。

9. それぞれに思い出がありますが、あえて列挙すれば、

  1983年4月 青春の作曲家たち
  1984年9月 マーラー交響曲第3番
  1986年4月 マーラー交響曲第8番
  1986年11月 日本の交響作品展10「新響と30年 芥川也寸志」
  1987年2月 サントリー音楽賞受賞者コンサート
  1987年6月 ラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲
  1988年4月 奏楽堂での演奏会 (芥川先生最後の指揮)
  1989年4月 ペトリューシュカとチャイコの悲愴
  1989年7月 細川俊夫:広島レクイエム
  1990年1月 追悼・芥川也寸志
  1991年1月 伊福部昭:釈迦
  1992年1月 ベルグ:ヴォツェックより3つの断章
  1993年1月 リムスキーコルサコフ:シェエラザード
  1994年2月 松伏町依頼演奏会「芥川也寸志映画音楽特集」
  1996年1月 ワグナー:楽劇「ワルキューレ」第1幕全曲
  1996年7月 日本の交響作品展1と2
  1997年4月 ブルックナー交響曲7番

 ワルキューレの時、拙宅にて飯守先生のご指導により、ピアノ伴奏によるソリストの先生方とのリハーサルを2回行いましたが、まじかに練習を拝見させて頂き、普段経験できない勉強をさせて頂きました。

10. 運営面でも演奏面でも多くの人材に恵まれ、自主独立の団体として抜きんでている存在だと思います。それだけにいろいろな意味で注目され、中には誤解されている面もあると思います。昨今のアマチュアオケの増加と活動の多様化の中で新響の個性は埋没しているのかもしれません。しかしながら新響にはその長い歴史を通して積み重ねてきた独自の経験があり、また新響が芥川先生のもとでアマチュアとしての可能性を追求し続け、その社会的評価の一つとしてサントリー音楽賞を受賞したことは厳然たる事実であります。すなわち社会的意義のある企画と音楽に対する真剣な取り組みが新響の存続基盤であり、財産でもあります。常に新響はそのことをふまえて情報を発信し続けていくことが必要といえましょう。
 以前と比較して演奏技術は向上していると思いますが、やはり未だに個々のプレーヤーによる個人的プレーに依存しており、指揮者及び団内からの音楽的要求の高まりに従って、今までは運営面での意識の向上の陰にかくれて見えていなかった、検討する余裕のなかった新たな課題が見えてきています。すなわち音色・音程・ハーモニーに関して団員が共通の認識を持つこと、共感を持つことが必要ではないでしょうか。
 やはり新響は現状に奢れることなく、団員個々に謙虚な気持ちで常に高い次元にて運営面でも技術面でも切磋琢磨して、信念を持って演奏活動に取り組んでいくことが大切だと思います。

11. 維持会はただ単にチケットが安く手に入ることを目的とした組織ではありません。
 新響の活動にご賛同して頂き、支援して下さる方々の組織として維持会は誠に心強い限りです。そして会員の皆様と共にステージ(演奏)と客席(聴衆)とが一体となった満足できる演奏を心がけていきたいと思う次第です。
 今後とも良きアドバイスと、資金的なご協力、精神面での応援をお願い致します。


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