維持会ニュース団員紹介コーナー(1996.12月号)より


松下俊行

1.氏名、2.パート、3.生年月日、4.入団して何年?、5.出身、6.職業・普段の顔、7.使用楽器、8.好きな曲・好きな演奏家、9.印象に残る新響の演奏・演奏会、10.新響に一言、11.維持会員の皆様に一言

1. 松下俊行(まつした・としゆき)

2. フルート/ピッコロ

3. 1957年10月24日生

4. 1982年9月5日入団(丸14年経っております。1988年12月より首席奏者)

5. 東京都北区(奇しくも新響の現練習場のある十条の産です)
 早稲田大学第一文学部人文専攻1981年卒
 早稲田大学交響楽団1981年卒団(フルート課程修了!?)

6. 印刷会社で電子精密部品(勿論自社で作っている製品)の営業全般及び市場分析の仕事をしております(因みに印刷関連の知識はゼロ)。結構海外出張も多く、シンガポールより夜行便で帰国し、成田からサントリーホールに直行して新響の本番に臨んだことも、今では美しい思い出(?)です。
 音楽と仕事関連以外の脳を使おうにも、完全な文系人間の哀しさ、あとは漢字の勉強位が関の山です(現在、漢字能力検定準一級)が、京都にある(財)日本語教育研究所の客員研究員の肩書を得て、年に数回会報に寄稿して老後の趣味に備えております。「薔薇」「憂鬱」や鮨屋の湯呑の魚偏の字は怖くありません。
 さて、そこで問題です。次のひらがなを漢字に直して下さい。
 1)つつじ、2)なまこ、3)はんごうすいさん(答は最後に)

7. (Flute) ヘルムート・ハンミッヒ(Helmuth Hammig) 旧東独製 総銀(純度900/1000) 製作No.440 1960年代の楽器
 縁あって入手できました。世界に約450本しか無い名器です。これに出逢うまでに実に十数本の楽器を買い換えました。この楽器で良い音がでなければ腕が悪いのだと諦めがつきます。いい加減な吹き方をすると最悪の結果をもたらすという、奏者との間に絶えず緊張関係を強いる笛ですが、気に入っています。
 1991年7月の山田先生最後のコンサートの折り、ステージ・リハーサル終了後にドイツからようやく届き、文字通りのぶっつけ本番で「アルルの女」を吹いてみて良い結果だったので、翌日から金策に奔走して入手しました(値段は内緒)。この笛との出逢いは、今でも僥倖だったと思っています。
 (Piccolo) Roy Seaman(米) Louis Lot(仏)と無銘のドイツの楽器の3本を持っており、曲に応じて使い分けています。

8. (好きな作曲家)J.S.バッハ。M.レーガー。バルトークB.。
 (好きな演奏家)A.ニコレ(Fl)。P.マイゼン(Fl)。H.ヴァルヒア(Cem)。

9. 1985年7月「未完成」
 1987年7月「ダフニスとクロエ」第二組曲 以上指揮山田一雄
 1992年4月スクリャービン「交響曲第二番」 指揮F.トラヴィス
 そしてNext one(そうありたいと希っております)

10. 「より良き演奏・音楽」を求めるという一点の目的に団全体が一致でき、そのために個々の義務と権利(演技じゃないよ!)が行使されるというのは、素晴らしいことだと思います。新響は良い意味で「大人の」オーケストラだと言えます。
 ただ、依然としてプロ・オケに対するアンチ・テーゼ的なアマチュアの捉え方が団内にあるように思えます。音楽に対し謙虚な姿勢である限り、技術を情熱でカヴァーし得るという旧態然とした(悪しきアマチュアリズムの)発想から完全に脱却することは急務です。プロとの比較は聴く人に判断を委ねれば良いことだと私は考えます。目の前の音楽に如何に誠実に対せるか。我々が銘記すべきはこの一言でしょう。

11. 何とか少しでも良い演奏をしたいと、それだけを念じて毎回演奏会に臨んでおりますが、一方日々の練習の過程では、この足掻きは単に自己満足に過ぎぬのではないかとの不安を絶えず持ち続けているのも事実です。こうした我々にとって維持会の方々の存在が、精神的に如何に大きな支えとなっているかについては、今後も様々な団員がこの欄に書いてくれることと思います。私共に対する日頃の御支援に対し、深謝致します。
 1997年には私も「不惑」の齢を迎えますが、今後も更に精進を重ね、好きでない酒は今以上に控えて、「老害」と言われぬ範囲で少しでも長くこのオケで皆様とおつきあいさせて戴きたいと常々考えております。

漢字の正解:1)躑躅、2)海鼠、3)飯盒炊爨


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