第185回演奏会のご案内


●石井眞木氏の遺作「幻影と死」
 昨年4月、作曲家の石井眞木氏が逝去されました。1991年以来永年にわたりご指導を賜り多大なる功績を残されました石井氏の一周忌にあたり、その遺作である交響詩「幻影と死」を今回初めてカットなしで演奏します。

●交響曲第5番「運命」:クライヴ・ブラウン校訂版
 「運命の主題」で知られる第五交響曲は1808年に初演、その翌年にブライトコプフ社から演奏用楽譜が出版されました。以後およそ200年間、多くのオーケストラがこの楽譜で演奏しております。ところが近年の研究でさまざまな問題点が指摘され、よりベートーヴェン本人の意図に沿うものとして、複数の校訂版が上梓されました。代表的な版として、ジョナサン・デル・マー校訂のベーレンライター新版(1999年)、クライヴ・ブラウン校訂のブライトコプフ新版(1997年)があり、今回は後者にて演奏いたします。
 第九交響曲のベーレンライター新校訂版のような、アッと驚く大きな相違はありませんが、いつも耳にする「運命」との違いを探しながらお聴きいただくのも良いかもしれません。

●高関健−新交響楽団
 昨年4月の第181回演奏会(バーンスタイン・ヴァイル・バルトーク)に引き続き、本年4月も高関氏を迎えての演奏会となります。楽曲への深い理解と、透明感の高い明瞭な音楽作りは、必ずや新交響楽団の新たな一面を引き出すこととなると期待されています。
 また同氏は2000年から2003年にかけて、大阪センチュリー交響楽団とともにベートーヴェン交響曲全曲シリーズ(ベーレンライター新版)のコンサートおよびライブCD化を完結させており、まさに「運命」的な共演となるのではないでしょうか。
 皆様のご来場をお待ちしております。

新交響楽団のプロフィル
 1956年創立。音楽監督・故芥川也寸志の指導のもとに旧ソ連演奏旅行、ストラヴィンスキー・バレエ三部作一挙上演、10年におよぶ日本の交響作品展(1976年にサントリー音楽賞を受賞)などの意欲的な活動を行ってきた。
 その後もマーラーの交響曲全曲シリーズ(故山田一雄指揮)、ショスタコーヴィチ交響曲第4番日本初演、日本の交響作品展91、92(故石井眞木指揮)などの演奏会、1993年9月にはベルリン芸術週間に参加して3邦人作品をフィルハーモニーで演奏するなど、積極的な活動を行っている。
 1996年には創立40周年記念シリーズでワーグナー「ワルキューレ」の演奏会形式公演(飯守泰次郎指揮)、「日本の交響作品展'96」では1930年代から40年代にかけての知られざる作品を発掘するなど、各方面から注目を集めている。

第185回演奏会(2004年4月17日)ちらしより


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