第183回演奏会のご案内


2003年はラフマニノフ・イヤー

 今年はラフマニノフ生誕130周年、および没後60年(1873-1943)にあたります。新響はこれまでもオール・ラフマニノフ・プロを組むなど、この作曲家の作品を取り上げて参りましたが、今回はロシアのピアニスト、ウラジーミル・オフチニコフを迎え、ラフマニノフ晩年のピアノ協奏曲「パガニーニの主題による狂詩曲」をお届けいたします。
 オフチニコフは、昨年の新響長野演奏旅行の際にチャイコフスキーの協奏曲第1番で共演、諏訪・長野の聴衆のみならず団員に大きな感動を与えました。地の底から鳴り響くようなフォルテ、そして打鍵楽器を思わせないほどはっとするほど優美なピアニッシモは記憶に新しいところです。
 1982年チャイコフスキー国際コンクール最高位(1位なし)の後、1987年リーズ国際コンクールで第1位に輝き、センセーショナルな世界デビューを果たし、現在は欧米の主要オーケストラと多数共演するなど活躍しています。ラフマニノフは彼の膨大なレパートリーの中でも特に重要な位置を占めているだけに、その魅力を余すところなく届けてくれることでしょう。

小泉 - 新響 - ベートーヴェン

本年は1月のベルリオーズ「幻想交響曲」、4月のバルトーク「中国の不思議な役人」への挑戦、7月は湯浅譲二/リヒャルト・シュトラウスへの新たな取り組み、と続いた1年の締めくくりに小泉和裕を迎え、ベートーヴェン交響曲第7番をメインに据えます。古典作品の解釈にますます深みを加えていると評価される小泉の指揮で精緻な構造をもった7番に取り組むことは、2006年に創立50周年を迎える新響にとって今一度原点を見つめなおす演奏会となります。3曲それぞれの音の世界をお楽しみください。

新交響楽団のプロフィル
 1956年創立。音楽監督・故芥川也寸志の指導のもとに旧ソ連演奏旅行、ストラヴィンスキー・バレエ三部作一挙上演、10年におよぶ日本の交響作品展(1976年にサントリー音楽賞を受賞)などの意欲的な活動を行ってきた。
 その後もマーラーの交響曲全曲シリーズ(故山田一雄指揮)、ショスタコーヴィチ交響曲第4番日本初演、日本の交響作品展91、92(故石井眞木指揮)などの演奏会、1993年9月にはベルリン芸術週間に参加して3邦人作品をフィルハーモニーで演奏するなど、積極的な活動を行っている。
 1996年には創立40周年記念シリーズでワーグナー「ワルキューレ」の演奏会形式公演(飯守泰次郎指揮)、「日本の交響作品展'96」では1930年代から40年代にかけての知られざる作品を発掘するなど、各方面から注目を集めている。

第183回演奏会(2003年10月11日)ちらしより


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