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団長あいさつ

 1956年3月1日に発足した新交響楽団が、1957年11月21日に第1回の演奏会を開催してから51年目にして第200回という記念すべき演奏会を本日迎えることができました。
 200回に亘る演奏会の企画・選曲はその時代のオーケストラの思想を表現しています。世代交代をしながらも常に純粋な音楽団体の立場として多くの夢を限りなく追い求め、一つ一つの演奏会に全力を集中しながら、その時の「今」を創造し、常に独創性を持って音楽に対する情熱をエネルギーとして失うことなく発展し続けてきた証といえます。
 半世紀に及ぶ長い時間、新響の活動はあらゆる面で順風満帆であったわけではありませんでした。しかしながら、新響を取り巻く社会環境・音楽環境の大きな変化の中で、新響の活動の根底に流れているものは、創立指揮者で音楽監督であった故・芥川也寸志先生の「音楽はみんなのもの」という理念に支えられたアマチュアとしての誇りを持って、その可能性を追求していくという強い信念に支えられたものであり、新響は時代と共にその信念をアレンジして発展させながら、アマチュアだからという甘えに妥協せず、新響の特色を生かしたプログラムを模索し追及してきたことといえましょう。常にその時代のオーケストラの実力と団員の技術レベルを判断し、可能性を追求するために、時には技術レベルを上回る曲目で演奏会を企画し、それを乗り越えるべくオリジナリティを発揮して、地道な練習の充実と団の運営および演奏の質の向上を目指してきたのです。200回の演奏会を通して、数多くの団員が新響でしか味わえない音楽体験を通して刺激を体感し、積極的かつ幅広い音楽活動を発揮してきました。音楽を愛し、とにかく良い音楽をしたい、という熱い想いが情熱となって、そして活動の原動力として脈々と途絶えることなく新響には流れています。
 本日の演奏会は第200回という節目を具現化するものとして、「今」の新響を創造し持てるパワーを発揮するべく企画致しました。新響が創立以来活動を続けてこられたのは、数え切れないほど多くの方々が新響の活動をさまざまな形で支えてくださり、ご協力とご支援あっての賜物と感謝しております。
 この世に音楽がある限り、新響は「今」を活きることで多くの夢と素晴らしい音楽が創る楽しさと喜びをこれからも創造していくことでしょう。多くの課題に直面していく中で、その時にできることを地道に行うことで課題を乗り越え、魅力あるオーケストラとして、音楽への情熱を持って未来に向けて更なる飛躍をし、新響はあらゆる機会を通してその魅力を最大限に発信し続けていきます。


本日はご来場誠にありがとうございます。


団長  土田 恭四郎


第200回演奏会(2008.1)パンフレットより

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