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第259回演奏会のご案内

再評価が進むフランツ・シュミット
 フランツ・シュミットという作曲家をご存知でしょうか。最近日本でも少しずつ聴く機会が増えてきたようです。新響では2015年に交響曲第4番、2018年に「ノートルダム」の音楽、2021年に交響曲第3番をウィーン在住の指揮者寺岡清高と演奏してきました。今回はフランツ・シュミットをメインに、ウィーンの大作曲家シューベルトとヨハン・シュトラウスの作品をプログラミングしました。
 フランツ・シュミットはウィーン音楽院で作曲を学び、ウィーン宮廷歌劇場ではマーラーの指揮の下チェロ奏者を務めました。同じ年に生まれた新ウィーン楽派のシェーンベルクが12音技法をあみだしたのと対照的に、伝統的なロマン派を貫きました。今回演奏する交響曲第1番は、重厚な響きと歌心溢れるシュミットらしさを堪能できる曲です。

天才シューベルトの若きシンフォニー
 シューベルトは、ウィーンにとって特別な作曲家です。この街で活躍した大作曲家は多いですが、その中でもシューベルトはウィーン生まれのウィーン育ち、それまで貴族のための音楽だったものが、市民が担い芸術性を高めるのに大いに貢献しました。ベートーヴェンを崇拝しつつもモーツァルトの音楽を好み、師匠のサリエリからモーツァルトの真似だと非難されたようです。「歌曲王」として『魔王』や『野ばら』といった多くの名曲をのこしていますが、交響曲は『未完成』『ザ・グレート』が演奏されるくらいです。しかし、あとの6曲も魅力的な作品ばかり。特に今回演奏する第3番は、18歳の作ながらシューベルトらしさが表れた楽しく美しい曲です。

ヨハン・シュトラウス2世の人気オペレッタ
 そしてウィーンと言えばシュトラウス・ファミリー。父ヨハン・シュトラウス1世は自身の楽団を持ち「ワルツ王」として人気を博していました。音楽家を目指す長男のヨハン・シュトラウス2世を、父はあの手この手で阻止しましたが、母の後押しで何とか2世はデビューし、その後父と母は離婚、父亡き後は2世の方が「ワルツ王」と呼ばれるようになりました。『美しく青きドナウ』、『ウィーンの森の物語』、『皇帝円舞曲』といった超有名なウィンナーワルツは2世の作品です。オペレッタにも進出し、特に『こうもり』『ジプシー男爵』は成功を収め、今日でも上演機会が多い2演目です。
 どうぞお楽しみに!(H.O.)

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