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第227回演奏会のご案内

 パリを拠点に国際的に活躍する矢崎彦太郎を指揮に迎え、フランス印象派を代表する作曲家ラヴェルと、フランスに縁の深いロシアの作曲家プロコフィエフの作品を演奏します。


■ラヴェル=管弦楽の魔術師
 ラヴェルは華麗で精密なオーケストレーションで知られていますが、中には自身のピアノ曲を管弦楽曲に仕上げたものが多くあります。
 「道化師の朝の歌」は、5曲からなるピアノのための組曲「鏡」の中の一つをラヴェル自身が管弦楽に編曲しており、スペイン風の軽快で色彩豊かな曲です。「鏡」とは情景や心情を映し出すという意味と思われますが、文字通り道化師の朝帰りの情景か道化師に見立てた伊達男か、あるいはラヴェル自身の心の幻影なのでしょうか。
 「マ・メール・ロワ」は、英語でマザーグース(ガチョウおばさん)という意味で、欧米に古くから伝わる童謡を指し、「眠りの森の美女」「親指小僧」「美女と野獣」といったおとぎ話が登場します。小編成のオーケストラでやさしく子供に語るような、鳥が鳴いたり東洋風な響きも伴う幻想的な曲です。
 「ラ・ヴァルス」は、ウィンナワルツへの礼賛として着想され、オーストリア宮廷を舞台としたバレエ音楽として書かれたのですが、依頼主のディアギレフから「傑作ではあるがバレエには向かない」と受取りを拒否されました。優雅なようでいて、同時に華やかさと不気味さが同居する迫力のある曲です。


■プロコフィエフ=ソ連時代の国民的作曲家
 ラヴェルがパリで活躍していた第一次世界大戦の頃、プロコフィエフもパリに10年ほど住んでいました。
 プロコフィエフは、サンクトペテルブルク音楽院で作曲とピアノを学んだ後、ロシア革命で国を離れ日本経由でアメリカに向かいます。その後ディアギレフの依頼でバレエ音楽を書くなどフランスを拠点に活動をしていましたが、ディアギレフの急死により祖国への帰国を考えるようになりました。
 「ピーターと狼」で知られるプロコフィエフの交響曲は第7番までありますが、今回演奏する第5番がもっとも有名で、作曲家自身も作品番号100となるこの曲に意欲的に取組みました。作曲は第二次世界大戦中、初演時は演奏開始時に祝砲が鳴りソ連全土に中継放送されるなど、国民的な行事となりました。
 プロコフィエフの作風は、初期は奇抜で斬新でしたが、その後は叙情的でわかりやすい方向へ変わっていきます。この第5番はその中間的な性格で、「わたしの第5交響曲は自由で幸せな人間、その強大な力、その純粋で高貴な魂への讃美歌の意味を持っている。」という言葉を残しています。スターリン体制から身を守るために必要だったのか、心から祖国のために取組んだのか。どちらも見え隠れするところが、この曲の魅力となっているのかもしれません。
 どうぞお楽しみに!(H.O.)




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