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第200回演奏会のご案内

第200回演奏会
 1955年(昭和30)に結成された労音アンサンブルは作曲家・芥川也寸志を指揮に迎え、翌56年に東京労音新交響楽団として発足しました(66年労音より独立)。そして1957年11月21日に第1回定期演奏会を開催します。NHK交響楽団の前身と同じ名前を付けることについては団員に照れもあったようですが、芥川の「世界一のアマチュアオーケストラにする」という目標の下、希望に満ちた出発でした。
 以来50年間、ほぼ年に4回のペースで演奏会を開催してきました。第200回の演奏会を迎えるにあたり、1回1回の演奏会を大切にする活動の通過点として、何か特別なことをするわけではなく、しかし、より「新響らしい演奏会」にしたいと私たちは考えました。

芥川也寸志:交響三章
 創立指揮者であり演奏の指導のみならず運営の道筋を作った芥川にちなんだ企画にしたいという思いから、多くの芥川作品の中でも新響の団員が最も親しみを持つ曲のひとつであるこの曲を選びました。弱冠23歳、東京音楽学校在学中の作品で、躍動するリズムと叙情的なメロディーの生き生きとした曲です。かつて電機メーカーのCMにも使われたので、聴けば懐かしく思い出されるかもしれません。

黛敏郎:バレエ音楽「舞楽」
 新響は創立20周年での「日本の交響作品展」によりサントリー音楽賞を受賞し、その後も日本人の作品を積極的に演奏してきました。今回は創立50周年での涅槃交響曲に続き黛の作品を取り上げます。黛は日本古来の文化をテーマにした曲を多く残しています。舞楽とは舞を伴う雅楽のことで、この曲では笙(しょう)や篳篥(ひちりき)などの伝統的な雅楽器を用いず通常のオーケストラ編成で雅楽特有の響きが表現され、かつての宮廷の雰囲気が描かれています。ニューヨーク・シティ・バレエによる委嘱作品。

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」
 1913年パリでの初演時、あまりの斬新さに大騒動を巻き起こしたこの作品も今や「クラシックの名曲」となりつつありますが、強烈なリズムと土俗的なメロディーは何度聴いても新鮮です。幼少の頃にストラヴィンスキーのレコードを喜んで聴いたという芥川の企画で、新響は75年にストラヴィンスキー・バレエ3部作一挙上演を行いました。練習量を多く要求されるこのプログラムは、練習時間を豊富に持てるアマチュアの強みを活かした絶好の企画と考えたようです。現在でも難曲であることには変わりませんが、練習時間をかけ曲に対する愛情と理解を持って、アマチュアだからこそできる演奏をしたいと意気込んでいます。

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