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第199回演奏会のご案内

新響とマーラーと高関健
 新響は1979年から10年にわたって山田一雄の指揮でマーラー交響曲全曲シリーズに取り組みました。当時のアマチュアオーケストラにとってはかなり挑戦的なことでしたが、「一音百態」の指揮者がもたらした奥深い音楽的体験は新響の血肉となり、団員の半数が入れ替わった現在でも「新響のDNA」として受け継がれており、マーラーへの共感、そして音楽への愛情は変わりません。
 指揮者・高関健にとってもマーラーは特別な作曲家です。中学3年の時に初めてマーラーの交響曲第9番を聴いて以来その魅力に取りつかれたまま、という氏は、高校時代には毎日のようにスコア片手に頭の中でこの曲を鳴らして通学したとのことです。今回の演奏会のために、指揮者は新響と通常の倍のリハーサル量を確保し、お互いにとって特別なこの曲に臨みます。

マーラーの「第九」
 ベートーヴェンやブルックナーなど数々の巨匠たちが「交響曲第9番」をラストナンバーとしたため、マーラーは「第9番」を書くことを恐れ、9曲目となる交響曲に番外の「大地の歌」とした、というエピソードは知られています。しかし次に書いた作品は純器楽曲のため第9番と呼ばざるを得ず、第10番を未完のままマーラーは逝去、やはりジンクス通りとなりました。ウィーン宮廷歌劇場と決別し、娘を亡くし心疾患を指摘された頃に書かれたこの曲は「死」を濃厚に意識しており、その深さ、美しさから、マーラーの最高傑作とも称されていますが、それと同時に、ベートーヴェンの時代から連綿と続いたドイツ・ロマン派交響曲の時代の終焉を飾る曲と言えるのかもしれません。

武満の音の世界
 もう1曲は、日本を代表する作曲家・武満徹の作品です。トゥイル・バイ・トワイライトは「黄昏の綾織」といった意味ですが、各楽器の音色を交互に織り上げたような静謐さのある繊細な響きが味わえます。どうぞご期待ください!

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